「Donor-Conceived(精子・卵子の提供を受けて子供を作る)」とは?
「Donor-Conceived(精子・卵子の提供を受けて誕生する人)」とは、生物学的な両親以外から精子や卵子、あるいはその両方の提供を受けて誕生する人のことである。
米国の不妊治療産業は数十億ドル規模に成長している。その主力商品は何か?人間の卵子である。大学のキャンパスの掲示板やソーシャルメディアでは、世界中の若い女性向けに最大10万ドルの報酬で卵子提供を求める広告が掲載されている。
本当の犠牲者は「Donor-Conceived(精子・卵子の提供を受けて)」誕生する人である。「Donor-Conceived(精子・卵子の提供を受けて子供を作る)」ことの問題の1つに、人間の家族の基本構造が破壊されることがある。大切な家族として生まれ、愛され、守られ、慈しまれるべき子供が、資産として売買の対象になってしまう。子供が第三者の生殖を通して製造されるのだ。
こうした子供たちの中には自分が精子や卵子の提供を受けて誕生したことを知らない者もいる。以前には、その秘密が明かされることはなかった。今日でも、精子や卵子の提供を受けたカップルが子供にそのことを伝える法的義務はない。しかし精子や卵子の提供を受けて誕生したことを知る者の多くは、そのような手段で誕生することの倫理性に疑問を抱いている。そうした生殖方法を禁止すべきだと主張する人もいる。
精子の提供を受けて誕生した若者たちは、親が誰であるかわからないことに混乱し、孤独を感じている、との研究報告がある。「自分の実の親は誰であるか?」という疑問を持ち、実の親に育てられた子供よりも、うつ病、非行、薬物乱用などに苦しむ人が多い。これらの子供たちの約半数は、自分の誕生に金銭の授受があったことに動揺している。
子供には、自分の出自を知る権利がある。どこの国に住んでいようとも、彼らは皆、人間であり、基本的人権を有している。国連の「児童権利宣言」には「子供はあらゆるネグレクト、残忍な行為、搾取から保護されるべきである。どんな形であっても売買の対象にすべきではない。」と明記されている(第6条および9条)。
人身売買になることから、精子や卵子を売買する権利は誰にもない。人間を販売商品にするべきではない。親になることを販売の対象とすべきではない。すべての子供には、自分を生んだ2人の人物、すなわち実の母親と父親の愛と慈しみを受ける権利がある。子供が一番安心できるのは血のつながった家族の中である。その家族の中でこそ、子供たちは健全で完全な自我を発達させることができるのである。
ノボトニー・ジェローム、OMI
2014年07月14日掲載
英語原文 ー Invisible Class: “Donor-Conceived” People