高齢者を見捨てること

images-45最近ローマで行われた教皇フランシスコとの特別な集いに、数千人の高齢者が集まった。彼らは年を取ることの大切さ、苦悩、そして素晴らしさに対する教皇の考えに耳を傾けた。教皇は「年を取ることは、すばらしい時間を過ごすことである」と述べた。

map3世界のほぼすべての国で「高齢者人口」が増加していることは疑いの余地がない。私たちの寿命は延びている。多くの人が「すばらしいことだ!長生きしたほうがよい。」と言い、私たちの多くはその意見に賛同する。では何が問題なのだろうか?問題なのは高齢化ではなく、出生率の低下である。

本日の16:30ちょうどに、国立高齢化研究所が以下の統計結果を発表した。
0~4歳の人口:651,921,254人
65歳以上の人口:589,760,486人

1950年には、0~4歳の子供が3億3500万人で、65歳以上はたった1億3100万人だった。2010年には0~4歳の子供が6億4200万人で、65歳以上は5億2300万人となった。国連は0~4歳の子供の人口が約6億5000万人をピークに2015年から2020年にかけて減少し、2020年には65歳以上の人口が「7億1400万人」を超えるだろうと予測している。

65歳以上の人口のこうした増加により、我々は新しい問題に直面している。最も重要なのは、人生の黄昏を迎えた人々には計り知れない価値があることを見失わず、その真価の評価を忘れないことである。高齢者の多くは面倒を見てくれる家族がいない。その結果、老人ホームの新設が増加している。問題は、こうした施設が高齢者の利益になるサービスを提供してくれるのか、それとも単に利益重視のビジネスに過ぎないのか?ということである。

images-71教皇フランシスコは世界中の社会に次のような注意を投げかけている。高齢者への配慮を忘れ、社会から隠匿し、軽んじるような制度は決してあってはならない。私はこうした制度の中で生きる高齢者を身近に感じており、高齢者を訪ね、彼らの世話をする人たちに感謝の気持ちを持っている。高齢者施設はその国、近隣地域、協会区において慈愛の「中心」となるべきである。年を取って弱った人たちが大切にされ、兄弟姉妹のように面倒を見てもらえる慈愛の「サンクチュアリ」となるべきである。高齢者を訪ねるのはすばらしいことである!若者を見てほしい。みじめで悲しい若者もいる。高齢者を訪ねることで喜びを感じようではないか!

教皇はさらに次のようにも述べている。ただし、高齢者が見捨てられているという現実もある。名目上の安楽死にも似た扱いでこれまで幾度となく高齢者が見捨てられてきた!人間を見捨てるという文化がこの世界を悪くしている。私たちは「バランスの取れた」経済制度の維持という建前の下、子供、若者、高齢者を見捨てているが、その考えの中心はもはや人間ではなく、金銭なのである。私たち全員に悪意に満ちた廃棄を認める文化の是正が求められている。

私たちクリスチャンには、善意あるすべての人々と共に、心身の弱った人々を見捨てることなく、多様性を認め、相手を受け入れ、より人道的で包括的な社会を忍耐強く構築することが求められている。その一方で、弱者に対する配慮を高く評価する社会を作る必要がある。

 

ノボトニー・ジェローム、OMI
20141004日掲載
英語原文  ー Abandonment of the elderly

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